大きな総合病院での胃瘻交換も無事に終わった父は、その後いつものデイサービスでお世話になり、そしていつもの如く夜を迎えた。

 

 デイサービスでも特に変わった様子はなく、普段よりは少し静かで少し傾眠傾向というくらい。

 

 自宅に帰って、いつも通りの夕食と内服薬を済ませ、歯を磨き、ベッドで就寝。

 

 特に変わった様子もなかった。

 

 夕食だって、普段通りによく食べたし、歯磨きの時も協力的に身体を前に倒せていたし…

 

 ただ強いていうなら、いつもより静かで、いつもより寝つきが良かったというくらいかな。

 

 でも…

 

 朝になって、声をかけ、いつものように起こしたけれど、普段の様には起きなかった。

 

 オムツ交換しても衣服の更衣をしても、全然覚醒してくる様子はなく、むしろ眠っているというのが近い表現。

 

 電動でベッドアップして身体を起こしても、ベッドに身を委ね、うなだれている。

 

 だから朝の更衣も大変だった。

 

 いつものように自分で上半身を保持してくれない。

 

 身体を支えながらの更衣介助はなかなか難しいですよ。

 

 そんな状態なので、当然車椅子移乗の時も協力動作は全くなく、ほぼ私一人で担ぐような状態。

 

 あ~、覚醒悪いな~と思いながら、洗面所で整容。

 

 嗽も試みたけど、普段通りには出来なかった。

 

 朝食、大丈夫かな~と思いながら、介助したけど、やっぱり普段の様には食べれなかった。

 

 全く食べない訳じゃない。

 

 口は開けるし、咀嚼もする。

 飲み込みもする。

 

 ただ、間、間で、動きが止まるのだ。

 

 だからいつもの3倍時間がかかった。

 

 噎せ込む様子はなかったが、内服薬は流石に躊躇。

 

 胃ろうから注入しようかな~とも思ったが、この後ショートへ預ける予定でもあるし、経口での内服が可能かどうかも見ておきたかった。

 

 なので、食事中に強行。

 

 いつもよりは難しかったけど、何とか体内に届けられたはず。

 

 こんな状態でショートに預けるのは心配だったけど、予定をキャンセルして父と過ごせば、娘達のストレスも急上昇で…

 

 だから、年の為の胃瘻のセットを持参して、予定通りのショートを利用する事に。

 

 とは言え、父を預けたショートからいつ電話がかかってくるかも知れないと、携帯を気にしながら過ごしていたが、意外に何の連絡もなく、父は予定を消化して日曜の夜に自宅に戻った。

 

 就寝準備をして臥床させると、時折父は咳き込み、喉に痰を絡ませているようだった。

 

 ショートから帰った荷物をみると、胃瘻のセットはそのまま残っており、父は3食全て経口摂取したことになる。

 

 特に連絡もなかったので、内服薬も経口摂取出来たのだろう。

 

 翌朝の月曜日には普段通りの父で、普段通りの生活。

 

 さらに翌日火曜日も父の様子はいつも通り。

 

 でもデイサービスから、痰が緑がかっているって報告があり…

 

 その日の夕食の時だった。

 

 いつもより多弁になっている父。

 

 咀嚼が普段より早い。

 

 そして食事中の左半身の小刻みな震え約5秒。

 

 あ!癲癇?

 嫌、振戦?

 もしかして熱性痙攣? 

 

 つづく…