先日、父の治療方針として、痒みを抑える薬をより強いものに変更し、同時に副作用として出現する傾眠傾向によって、若干覚醒を抑制するという事をお伝えしました。

 

 処方が変更され、父の様子はというと、痒みについては以前よりは抑えられている様に感じます。

 

 しかし、覚醒状態については、全く傾眠傾向が出る兆しもなく、父は絶好調に大声モード。

 

 やや興奮気味というのでしょうか。

 

 怒りやすくて活動的。

 

 活動的というのは決して悪い事ではないのだけれど、父の場合は活動性が上がりすぎると、車椅子からの転落という危険が伴います。

 

 興奮状態での入浴介助でも、一本足の父では例えリフト浴を利用したとしても、始終危険が付きまとう事になるでしょう。

 

 興奮気味であれば、集団社会の中では生活できません。

 

 テーブルを叩いたり、大声を上げる父に付きっきりで話し相手をしたとしても、父の問題行為は収まる事を知りません。

 

 なのでやむを得ず、また手持ちの残薬から、興奮を抑える貼付剤を一時的に使用する事にしました。

 

 興奮が強い時に貼る事にしたのですが、興奮が抑制され過ぎて傾眠が強くなって困るという事はなく、それならばと、24時間貼りっぱなしにしてみる事にしました。

 

 以前にもお話ししましたが、処方薬の作用は、定刻に体内に取り入れる事で濃度を維持して作用するのです。

 

 貼付剤とて作用は同じ。

 

 貼り続ける事で、体内の有効成分濃度は維持され、効能はより発揮されるという事です。

 

 現に父も、一時的に貼付財を利用していた時と比較して、24時間貼り続けると、明らかに興奮抑制作用が実感されるようになりました。

 

 意味もなく大声を上げることは無くなり、テーブルを叩くこともなくなりました。

 

 心配していた食事についても経口摂取で全量摂取です。

 

 朝食や夕食時の閉眼は目立つようになりましたが、それでも呼びかけには反応し、口を開けてと言えば口を開け、ごっくんしてと言えばごくりと飲み込むことも出来るのです。

 

 傾眠が強すぎる時には見られなかった、指示が入るという事です。

 

 父が嫌がる事(歯磨きや敵便等)をしたり、暑い寒い等、環境が悪くさえなければ、父は大変穏やかになりました。

 

 完全に眠っている訳ではないので、車椅子とベッド間の移乗時にも、しっかり残った一本足で立位に協力してくれます。

 

 これが何よりありがたい。

 

 私より身長の高い父を、私が一人で介助する時、父の協力がなければ、私の体力が持ちません。

 

 朝も夜も毎日私一人で父を介護しているので、父の覚醒度合いというのも、とても大事な要素なのです。

 

 興奮は抑制されているけど、覚醒は良い状態なので、父との会話が随分できるようになりました。

 

 それはスタッフも同様です。

 

 絶妙なタイミングでもっともな発言をして、周囲を笑わせる事もありました。

 

 相変わらず痒みは0ではない様子ですが、一先ず安心出来ました。

 

 ところが、気になる事がもう一つ。

 

 それは次回にお話しさせて頂きます。