胃瘻造設した父は、大変な事が倍増しました。

 

 自分の腹部についてあるボタンのような胃瘻チューブを触って自己抜去しては大変と、病院ではしっかり腹帯をされ、車椅子からの転落防止の抑制帯をされていました。

 

 その状態から今度、胃瘻を使う時の事を想像してみてください。

 

 抑制帯を取り、ベッドに移乗させ、本人の手の動きに注意しながら、ズボンを下げて、腹帯を取って、それからようやく胃瘻チューブ接続です。

 

 令和3年はとにかく入院期間が細切れに多かった為、父の認知機能はすっかり低下し、食事するという事の認識が弱くなっていました。

 

 胃瘻造設後の入院生活でも、経口摂取は出来ていても、実際に食事が進まず、胃瘻から栄養摂取したこともあったようです。

 

 咀嚼して、嚥下するという行為が、当たり前に出来ていた頃が懐かしい。

 

 もはや、食べるという、生きる為に必要不可欠な行為ですら、自分で出来なくなってしまいました。

 

 調子よく食事して、口から内服薬を飲むことが出来ても、口の中に残っていた薬が、歯磨きの時に流れ出てしまう事もあり、内服薬は毎回胃瘻からの注入となったようです。

 

 毎日3回ある内服薬の度に、胃瘻チューブを使う事になって、担当の看護師さんも本当に大変だと嘆いていました。

 

 特に、食事が進まない時、胃瘻から栄養摂取となると、1時間以上の時間をかけて、滴下しているそうです。

 

 さて、そんな父を私は自宅で一人、お世話しなければなりません。

 

 施設や病院ならば、手が欲しい時呼びかければすぐに集まってくるものだけど、自宅で求めるならば、高1の長女か中1の二女?

 

 まず、長女はスマホ片手に部屋から出てくるはずがなく、次女は幼い頃から母を祖母や祖父に取られている感があり、これ以上の負担は求められない。

 

 故に私は自分一人でやれる方法を編み出すしかないのです。

 

 退院時に病院からは抑制帯やミトン、腹帯等が必要だろうと言われたけど、前述したように、そんな大変な生活、日常で出来るはずがない。

 

 ましてや、週末には人に委ねなければならないというのに、また根を上げられたら、在宅生活そのものが成り立たなくなる。

 

 介護は如何に安全に手を抜くかが重要なのです。

 

 必要なものは、日中父が腹部を触らないで過ごす為の衣服。

 

 就寝時のつなぎ姿では社会的に不適切。

 

 ならば、下着なら?

 

 そこで探してみると、やっぱりあります。

 

 世の中に同様な事情で必要としている人がいるって事ね。

 

 胃瘻を使う時の簡便さを考慮して、前開きファスナーとマジックボタンによって、1枚の布がロンパースに早変わりするタイプのものを購入する事に。

 

 綿100%というのも、乾燥肌の父に持って来いです♪

 

 このロンパースの仕様により、日中の腹部いじりは回避できる。

 

 でも、このロンパースを普通に装着したのでは、日に何度もある排泄介助が大変になるから、ここにも何か工夫が必要。

 

 さてそこで私がどうしたか、それはまた次回にお話しさせてくださいね。