父の胃瘻の手術は、昨年末に何とかやって頂けました。
胃瘻造設術を行う急性期の総合病院には、10時に病棟に上がれるように来て欲しいと言われていたので、9時に入院先を退院し、9時30分に到着。
入院支援センターを経由して、要請通り10時に病棟まで行きました。
しかし、病室はまだ準備されておらず、談話室的なホールで随分待たされることになりました。
手術するとなると、当然、数日前から中止しておかなければならない薬もあるし、何より絶飲絶食!これが一番辛いですね。
重度の認知症でも当然空腹は感じますから、父も穏やかには居られません。
待たされれば待たされるほど、父を宥めるのが大変でした。
急性期病院には急性期病院にしかできない治療があり、その為に入院期間も最短で、病床を回すのにも大変なご苦労があるのです。
父が入院する為の病床は、父が到着した時、まだ、先に入院されていた方が退院されておられませんでした。
その様な病院の事情というのも良く理解は出来るのですが、病院側にも、患者を患者という一くくりで認識するのではなく、重度の認知症患者とそうでない患者というように、区別して認識して頂けないだろうかと、私は思いました。
緊急を要する患者とそうでない患者への線引きはあるのに、重度の認知症患者と一般の患者を同じ扱いにする事に、無理を感じるのは私だけでしょうか?
認知症が、重度であればあるほど、ここが病院だから静かにしなければならない事や、手術前だから絶飲食に耐えなければならない事等の理解が出来ません。
認知症にも様々なケースがあり、出現する症状や問題行動等も、人それぞれ違うので、一概に認知症と一くくりにも出来ないのですが、もはや認知症は、その人の持つ疾患と同様に、個別対応しなければならない個人の特性と言えるのではないでしょうか。
さて、それから。
コロナ対策の為、家族である私は父を病院に預けて帰宅するよう、言われました。
私は父を案じて心配ではありましたが、大変だったのは病棟看護師です。
術前も、術後も、私の予想通り、声を上げたりゴソゴソしたり。
点滴の自己抜去やベッドからの転落を防止する為、抑制帯やベッド柵は必須といった状況の様でした。
一晩だけの事なので、どうか皆様お許しください。
さて翌日、予定通りの10時に退院。
一目散に元の病院へ戻った父でした。
大きな問題もなく、無事胃瘻造設できて良かった良かったと思っている私でしたが、父はまだ、通常の食事に戻れるはずもなく、造設した胃瘻を慎重に扱わねばならず、
いつまで食わさん気や!
と、父の怒鳴り声が聞こえてきそうな気分です。
御免なさい。もう少しだけ我慢して!
数日の我慢は強いられましたが、無事に食事も始まり、胃瘻も問題なく使用でき、何とか穏やかな年末年始となったようです。
やれやれ大変な騒動でしたが、もっと大変だったのは、実はそれから以降の事でした。
そのお話はまた次回に。