なんかおかしい。

 

 それは最近の父についてである。

 

 入院中に調整完了した処方箋通りに内服薬をきっちり飲んでいるというのに、ここ数日は傾眠が強くなり、起床時の端坐位保持も、朝食時の開口も、とにかく悪い。

 

 何が悪いって、ただでさえ大変な父の介護だというのに、傾眠が強く出ると、さらに介護に時間を要するようになる。

 

 それだけではない。

 

 傾眠が強く出ると、父は途端に誤嚥の頻度が増すのである。

 

 それは食事の時だけでなく、就寝時の唾液についても誤嚥する。

 

 その先に何が待っているかって?

 

 言わずもがな誤嚥性肺炎でしょ。

 

 また以前の様に度々誤嚥性肺炎を頻発し、熱発入院を繰り返していたら、認知機能がますます低下して、いよいよ寝たきりに近づいてしまうではないか!

 

 退院当初は覚醒も良好で朝食ですら箸をもって、口までご飯を運ぶことも数回出来たというのに、何だ?この変貌ぶりは。

 

 こんな時、振り返りに役立つのが記録表。

 

 父は毎日、摂取した水分や排泄の様子を記録表に記載してある。

 

 毎日の水分量は最低ラインを作って、必ずその量までは飲ますように調整している。

 

 排泄についても、いつ出たか、これは特に排便が重要であるが、問題である時は便の状態も含めて記載するようになっている。

 

 排尿に関しては濃縮尿でない限り、数回出ておれば問題ない。

 

 しかし排便は別。

 

 排便は最低でも毎日1回は出さなければ、認知症の周辺症状に影響が出てしまう。

 

 これまでの父の様子では、必要最低限の水分摂取より、むしろ、毎日の排便の方が、達成できなかった時の影響が強かった。

 

 なので、記録表を基に、過去2週間ほどを振り返って、毎日の排便が達成できているか、改めて確認する。

 

 しかし、記録上ここ最近の変化は特に見当たらず、排便も水分摂取も問題になるようなものは見られなかった。

 

 では夜間の睡眠はどうか?

 

 退院後の良好な覚醒状態が続いていた期間は約一カ月余り。

 

 その間毎晩変わらず完璧な就寝環境を提供出来たかというと、正直自信がない。

 

 うちには猫が3匹居て、夜中に突然大運動会が繰り広げられることだってあるし、娘の塾の送迎等の為玄関で物音がする事もしばしばあるのだから。

 

 でもそれは今の状況と何ら変わらない訳で、父の変化に影響を及ぼしたものとは考えにくい。

 

 では父の変化の原因が、いったい何であるか?

 

 思い当たる事があった。

 

 薬である。

 

 退院時にたっぷりもらった退院時処方薬が無くなる数日前に、病院受診して、院外処方に切り替わっていたのである。

 

 勿論処方箋は入院によって出来上がった処方調整の通りである。

 

 でももらって帰る薬そのものを見れば、そこに違いがある事ははっきりしている。

 

 粉の量がやたらと増えているのだ。

 

 院外処方箋薬局の薬剤師は、成分は同じだと言っていたが、父の変化の原因として考えられることはこれくらいしかない。

 

 さてそれから私がどうしたか。

 

 それはまた次回にお話しさせて頂こう。