先日父が退院した時の事。

 

 ちょっと驚いてしまう事があったので、今回お伝えしようと思います。

 

 入院時は、毎回の事だけど、コロナ禍の今は特に面会も思うようにならないし、病院への出入り自体、自由にはいかない。

 

 なので、入院時に準備する荷物は、病院に依頼する洗濯で賄えるように、十分な衣類を詰め込む為、とてつもない大荷物になる。

 

 父の場合、使用する紙おむつも用途に合わせて多種多様である為、こちらもかさばる荷物となる。

 

 予定の入院期間で季節に変動がありそうなら、それを見越して準備する必要もあり、また、入院中に病院から連絡があって、追加で届けたりもする。

 

 そして、入院期間が無事終了して、いざ退院となると、退院時処方も追加され、これまで届けた荷物の全てが返却される訳である。

 

 なので、退院時は入院時よりも荷物はさらに多くなる。

 

 衣類もあるし、オムツもあるしと、本当に大荷物。

 

 車椅子の父を移動させる為に私の両手は塞がれる訳だが、それを片手で担っておいて、私はもう片方の腕で山積みされた荷物のカートを器用に運ぶ。

 

 時には見かねた職員さんが、駐車場まで運んでくれたりなんかして、そんな時は本当にありがたい。

 

 そんな風に優しさに満ちた社会でもある訳なんだけど、そうじゃない事もあるにはある。

 

 それは父が退院した日に、父の荷物をさばいている時の事。

 

 退院の時に看護師の方から、急な尿漏れで、洗濯が間に合わなかった衣類は水洗いして、ナイロンに入れてあるので、帰宅後洗濯お願いしますと聞いていた。

 

 そんなことは当然あり得る事で、何も驚かないのだけど、ナイロンに入ってある衣類がもう一つあって、こちらは濡れている様子もなくて、何だろうと思いながら開封すると、中には父の便汚染された衣類がそのまま丸めて入れられていた訳です。

 

 この出来事、つまり父の衣類が便汚染した状況というのは、いったいいつの出来事なのだろう。

 

 考えられることは幾通りもある。

 

 担当看護師が把握していたが、言い出せなかったか。

 

 あるいは把握してなかったか。

 

 把握していないなら、現場で報告しなかった人がいる?

 

 報告するつもりだったけど、忘れてしまった?

 

 どちらにせよ、退院のその日に、便汚染した衣類を水洗いすることもなく、ナイロンに入れられている状況を見た家族としては、かなりの衝撃を食らいます。

 

 入院中、十分お世話してもらえたのだろうかと、不安にも思います。

 

 便汚染した衣類を交換してくれた人は、何故その時、水洗いをしてくれなかったのだろう。

 

 便なんて、臭いし汚いし嫌だよね。

 

 でも、普通人にはさらさないものを、さらさなければ生きていけない人は、その事実だけで苦しんでいる。

 

 そういう人を家族に持つ者は、これまたその事実だけで悲しんでいる。

 

 だから介護する側に居る者は、せめてその人やその家族がこれ以上心を痛めなくても済むように、さらさぬ物をさらさぬ様に御配慮頂けると幸いです。