先日、愛媛県へサージカルマスクを寄贈した。

 

 数千枚というマスクを児童クラブへと寄贈する企業がある中、華桔梗は400枚という少数である。しかし、依頼したのは新型コロナウィルス感染患者受け入れ病院への送付である。

 

 国が国民に布マスクを、医療介護現場にサージカルマスクの配布を行っているが、今、医療界も介護界も現況が同じではないという事実にお気づきだろうか。病院にしたって、新型コロナウィルス感染患者を受け入れる病院と、そうでない病院。介護施設でも、発熱によって自宅待機が必要になり、施設利用が制限される施設と、施設そのものが自宅扱いで、感染疑いのある者と接触を余儀なくされる施設とに大別される。

 

 サージカルマスクの国内生産が始まって一月。依然国内ではマスクの品薄状態が続き、普段買い求める店でマスクの販売を見かけたことは一度もない。

 

 2月には0だった国外からの輸入マスクも現在は少しずつ輸入が始まっていると聞くが、それでも足りない。

 

 何故か。

 

 国がいくら増産しても、どれだけ輸入しても、それを上回る数で需要が発生すれば、当然供給は追い付かなくなる。

 

 マスクの品薄状態がどのような危険を帯びているか、考えた事はあるだろうか。医療従事者の感染である。現に国外では治療に従事している者の感染が相次ぎ、死者まで出ている。現在我が国日本においても、マスクの品薄状態は医療現場を困窮させている。通常、感染症患者の部屋へ入室する時は、常に入室毎の使い捨て。日に何度も入室するなら、その数だけマスクが必要になる。しかし今はそれすらも難しく、感染症病棟でも一日1枚、そうでない病棟は3日に一枚と聞く。

 

 マスクだけを比較した時、感染から身を守る為には、布マスクよりサージカルマスクである。しかし、一般社会で生活している国民が感染予防の為にサージカルマスクをしていても、ゴーグルや手袋を装着していない限り、感染を防ぐことは出来ない。

 

 では何のためにマスクをしている?

 

 無症状で感染していた場合、自分から他者へ移さない為?それなら国が行ったように、布マスクで十分だ。自分の飛沫を広げない為なら布マスクで十分役割を果たす。

 

 今、全国民が我先にとサージカルマスクを買い求めている場合ではないのだ。

 

 発熱すれば自宅待機が要請され、検査し、陽性となれば隔離、入院が行われている今、感染患者に密に接する機会もない国民は布マスクで耐えなければならないのではないかと、私は考える。政府の布マスク配布はアベノマスク等と揶揄されているが、実はそのような意図があったのではないかとも思う。故に、通所介護施設で、感染者との接触の可能性が低い当事業所は、温存していたマスクを県に寄贈し、スタッフ一同で布マスクでの業務にあたっている。

 

 ある人が言った相田みつおさんの言葉が全てを語る。

 

「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」

 

 共に布マスクで感染症と闘う医療スタッフを応援しようではないか!