それでも、周囲からキャンサーギフトを押し付けられたらどうしましょうか。

そのときは、さらりとかわしてしまいましょう。

「あなたにとってキャンサーギフトは何ですか?」と聞かれたら、「いろいろあったので、今気持ちの整理をしているところです」とでも答えておけば良いと思います。

無理に取り繕って答える必要もありませんし、今後も無理に作り出す必要はないと思います。

私にしてみれば、こうして今、さまざまな困難の中、皆さんが生き続けていらっしゃるだけでもすごいことだと思うからです。

その上、さらにポジティブになれというのは、単なる押し付けです。

ネガティブな状態よりもポジティブな状態になりたい、と思うのは、何よりも罹患経験者である私たち。しかし、それが分かっていてもなかなかできないから辛いわけです。

そのような状況で、無理にキャンサーギフトを手にしようとする必要は全くありません。

周囲の方々は、くれぐれもキャンサーギフトを押し付けることなく、あくまでも自然体で、がん罹患経験者には接していただけたらと思います。

(続く)