ハナハウスで日々たくさんのこどもを見ていると

時々、驚くほど、その年齢の平均を超えて

高い力を見せるこどもに出会います。

 

そして、
そうしたお子さんの保護者の方にお話をお聞きすると
そこにはやはり、それだけの力が伸びるに値する取り組みをされているものです。
 
昨年からSign Languageのクラスに参加しているKちゃん。
現在1歳9ヶ月ですが、驚くほどのお耳と言語/身体能力を持っています。
 
10ヶ月頃からHeidiがクラス中に発する言葉をはほぼすべて
リピートすることができていました。
その頃はまだ、意味が付随しない音を単純にリピートしているだけでしたが
この時期にそれだけ声が出る乳幼児を見たことがなく
私は毎回驚きを隠しながら、その親子のご様子を拝見していました。
 
12ヶ月頃は意味ある言葉として英語の発話が見られるようになり
1歳9ヶ月になる先日は、教室に来るなり
 
<あっちに おさんぽ いった ねー>
と外を指さしてゆっくりと、しかししっかりと助詞も含めて話し
周囲を驚かせました。
 

 

Kちゃんは、日本語+英語+Sign Languageで育つので

教室にあるポスターを見ながら手をFinger Spellingをしながら

アルファベットを声に出して読みます。

 
私はしばしば保護者の方に、
0歳さんでできるだけたくさんの音に触れさせてあげてください
2歳さんは文字の敏感期ですからたくさんの文字情報刺激を与えてあげてくださいと
常々お伝えしています。
 
ですが多くの場合
「0歳って聞いているんでしょうか・・?」
「2歳で文字なんて早すぎませんか?」
という反応が返ってきます。
 

Kちゃんのお母様はご自身が音楽家で絶対音感をお持ちでいらっしゃるので

幼児期に耳を鍛えることの重要性を身をもって体験していらっしゃいました。

 

そのため、0歳期の耳の柔軟さをしっかりと理解(信じて)しておられ

その時期にたっぷりと2言語を聴かせ、

加えて豊かな音楽をたくさん聴かせることで

できるだけ耳を鍛えようと心がけていらっしゃいました。

 

そのおかげでどんどん耳が良くなり、発話が早くなる。

発話が早くなると理解が早くなるので

育児に手応えが感じられるようになります。

文字や、ハサミなどのお仕事も1歳半から始めれていました。

 

「疑い」がないんですね。

育児において、赤ちゃん・こどもの能力を信じ切る、というのはとても大切なことです。

 

サインなんてやって本当に意味があるの?

と少しの疑いが消えない様子が窺える場合

お子さんもほとんどサインをせずに終わることが多い。

 

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また先日、同じサインのクラスにもう1人12ヶ月の男の子が入ってきました。

 

このお子さんは、まだ言葉は発しないのですが

驚くほど身体能力が高く、ハイハイ+つかまり立ちでも

ママの助けなど全く求めず、驚くほど自立的に教室内を動くのです。

 

その自立した様子、体の動きの確かさに

先日お母様にご家庭でのお話をお尋ねしました。

 

すると、とにかくたくさんハイハイをさせようと思い

家の中だけではなりない、

3ヶ月から公園に連れて行き、芝生の上をたっぷり3時間はハイハイをさせ

体を動かすようにしていたのだそうです。

 

これにもびっくりしました。

 

それだけの運動刺激と環境を与えられていたから

彼はこの月齢で、これだけ自立的に動けるのか・・と納得しました。

 

子どもの発達は、さまざまな要因が絡むので

「これをやったからこれができるようになる」

というような単純な方程式は誰にも当てはまるものではありませんが

 

ですが、何もせずに待っていても

持って生まれたものが花開くこともありません。

 

逆に、いわゆる遺伝子レベルで才能というものを持ち合わせていない場合でも

鍛えれば鍛えるほど、子どもの能力はどんどん伸びていく。

 

これは、16年大勢の子どもを見てきた中で確かに言えると感じています。

 

実は、発達支援の手法である行動応用理論を使うと

重度の自閉症のこどもでさえ、健常児と同じだけのIQに改善することができます。

 

もちろん、何でも個体差はあり

同じことをしたからと言って全員同じ結果になるわけではありませんが

 

そうした科学的なアプローチからも見えてくるように

豊かな環境刺激こそ、子どもの力を豊かに実らせていく上で

最も大切な大前提になることは疑いようのないことでしょう。