他の動物に比べて、人間の赤ちゃんは


その身体的機能という意味において、大変未熟な状態で生まれてきます。



人間は脳の発達とともに頭が大きくなり、そのため産道を通りづらくなり


その結果早い時期に出産することになった、という説はとても有名です。



ですがこの理由について、上記のような肉体的・物理的理由ではなく


極めて哲学的で、人間に対する愛にあふれた見解に出会いました。



「The very fact that a child is not subject to fixed and predetermined guiding instincts is and indication of its innate liberty and freedom of action

The Secret of Childhood, Maria Montessori, translated by M. Joseph Costelloe, S.J



生まれてくる人間が「未熟」であることは、身体的未熟さを証明するものではなく、


人間に与えられた「内なる自由」、


つまり、長い時間をかけて人間性を形成することを許された、その「行為の自由」、


それを証明するものなのだ、と。



それに続いて下記のような描写があります。



「... a man is capable of becoming anything, and his apparent helplessness as a child is the seedbed of his distinctive personality」




いかように成長することを許された私たち人間の、その土台をなすものは何か。


それこそ、あたかも弱よわしいだけに見える幼少期であり、


幼少期こそ、その後の人間をはぐくむ seedbed (苗床)なのだ、と。




そしてこの章を締めくくる言葉を、私たち大人はいつも胸においておきたいと思います。



「...It is in this creative period that an individual's future personality is determined. 」