お名前を〜 その3 | 旅するお地蔵さん

旅するお地蔵さん

某仏像教室で彫り出したお地蔵さんの旅の写真日記。

 

 

こんな場所で

半日過ごしたのです。

長かった。

 

 

さて、夜7時を回ると

フラメンコの衣装を身につけた

綺麗な女子や

 

スーツを着こなして

ちょっと粋がっている

若者が

 

続々と到着。

 

キラキラしながら

フェリアの会場へと向かって行きました。

 

 

えっ、その格好でバスに乗って来たの?

と、驚いちゃいますが

 

よくよく考えれば

フラメンコの衣装ではなくて

こちらの人たちにしてみれば

民族衣装なのですよね。

 

着物を着てお出かけするのと

同じなんでしょうが

フラメンコの発表会でしか

衣装を着ない日本人ですから、

ギョッとしてしまったのでございます。

 

 

1時間、1時間

確実に時間は過ぎて

やっと夜中の12時を回りました。

 

 

周りを見渡すと

相変わらずアフリカ系と

アラブ系の人たちが多いのです。

 

 

人生初の夜行バス、

しかも異国で・・・

さらにアフリカ系の皆さんや

アラブ系の皆さんと一緒なのか

 

大変申し訳ない話ですが

なんとなく、どうしよう

怖いなと思っていました。

 

出発まではあと少し。

20分ほど前ぐらいから

みんな、プラットフォームに降りて行きます。

 

 

 

私も、ついて行きましたが

アフリカさんもアラブさんも

移動されませんでした。

 

 

プラットフォームに降りると

どうやらマドリード行きは

3台出るようです。

 

私は3号車らしく

待っている間に

話すようになった彼も、

その彼の友達?も同じバス。

 

心強うございました。

 

私の重いスーツケースを

片手で持って

バスの荷物収納場所に

入れてくれたときは

尊敬の眼差しでございます。

 

 

チケットには

当然ながら座席番号が書いてあります。

 

お兄さんと私は近くの席。

刺青君は後の席だったようですが

勝手に前の席に座っております。

 

大丈夫か?と

思う間も無く

その席の方がいらっしゃいました。

 

が、

あっさりと席の交換が成立。

最後は「セビジャーノ!」と

2人で声を掛け合って

硬い握手をしておりました。

 

 

バスは一路マドリードへ。

1度、どこかのドライブインに入りましたが

朝の6時過ぎに

無事に到着いたしました。

 

この間、初の深夜バスと心配していたものの

バスが動き出した途端

夢の中〜

 

マドリードに着いた時も

当然、爆睡。

やっとの思いで目を開けて

なんとかスーツケースを引っ張り出し

よろよろと出口に向かって

歩き出しました。

 

そこに、あのお兄さん。

 

おはよう!と声をかけてくれました。

私もかろうじて返事をしたのですが

何せ、寝起きなもので

名前も聞かずに別れてしまいました。

 

我に帰った時には

すでに遅し。

 

せめてお名前を〜と

 

心の中で叫んでおりました。