映画の感想を書くときはネタバレに注意するあまり慎重になりがちなのですが、
この映画は最初から最後まで基本的に“日本 vs ゴジラ”だったので、
構わず書くことにします。




ゴジラ映画を今まで一本も観たことがないわたしが
なぜ「シン・ゴジラ」を観に行ったのかというと、
やはり庵野秀明監督の存在です。エヴァが好きなんです。
(それと、数年前に行った庵野監督の特撮展がちょう楽しかったので)




まず観終わった後に心で叫んだね。




庵野監督ありがとうございました!!!!!!!!!!





震災後の日本の現実と、それをぶっ壊しにくるゴジラという虚構。
まさにキャッチコピー通り“現実 対 虚構”の描き方が徹底されていました。
それはゴジラとの戦い方にも言えることなのですが、
「あんな適当な総理大臣いそー」とか「あんなイケメンな秘書官いねーよ」とか、
登場人物ひとりひとりも現実と虚構の対比があって面白かったです。
良い感じのツッコミどころがある映画って愛しいよね。
石原さとみさん演じるカヨコのウザ美女っぷりも素敵でした(褒めてます)。
彼女の台詞「ZARAはどこ?」は、エヴァでいう「あんたバカァ?」ですね。




昨今の邦画では珍しく、恋愛や家族愛や友情といったヒューマンドラマが無くて。
本当に、気持ち良いくらいに、一切無くて!
それがとてもクールで、良かったです。
(お涙頂戴要素があったら萎えてたと思う。感動の強要は感性の笑殺だ)




クールといえばもう一つ良かったのは、無人在来線爆弾
(ブログではじめて太字使った気がする。これはどうしても太字にしたい)
無人の電車がゴジラに突っ込むという極めてプリミティブな攻撃なんだけど、
語感の良さと明朝体にした時の字面がカッコ良くて、
ゴジラに衝突し爆風で空に浮き上がる様もカッコ良くて、鳥肌。
今ここにある物と知恵を組み合わせて戦うのが日本人だ!!




自分ではどうしようもない嫌なことがあるとたまーに、
「なんかでっかいのが来て東京ぶっ壊してくれないかなー」とか思うんですが、
怖いのでやっぱりいいです。
どうか虚構であってください。





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