「子供は、こういうのはダメ」
「いつから、大人なの」




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凄い小説を読んだ。
桜庭一樹「私の男」。
文章から香り立つ甘ったるい空気と雨の匂いと少しの臭気に、
息も絶え絶えになりながらページをめくった。




震災孤児となった9歳の花。彼女を引き取った25歳の淳悟。
ふたりはやがて家族以上に、恋人以上に、強く深く、
歪みながら絡まりながら愛し合うようになる。
同じ罪と、同じ後悔を抱えて。




例えそれが禁忌だとしても、愛し合うしか他に生きる術の無い花と淳悟。
共依存、なんてものじゃない。
血は水よりも濃い。
決して潤すことの出来ない乾きを、ふたりはそれで満たし合うのだ。