寝込んでいる間に伸び切った前髪をぱつんと切り揃え、
ぼろぼろになっていた爪を整え、恋月姫人形の色を塗った。
嗚呼、体調崩すなんて人生の無駄遣いだわ。反省。
優雅じゃない美しくない浪費って、赦せない。だから一週間前の私が、赦せない…!






そう云えば、村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」を、やっと読了した。
毒薬のようで、痛くて、重苦しくて、生々しくて、だけど清々しい小説だった。



まだまだ生温いのだろう。
私の見ているこの世界はきっと、狭苦しいが安全なコインロッカーのようなものだ。
鼓動の音が反響する羊水のなかで安らかに眠る、仮死状態の胎児。
自分がそんなちっぽけな存在に思えた。



破壊しろ。そこから這い出せ。此処まで来い。
この小説が、ハシが、キクが、アネモネが、私にそう静かに叫んでいるような気がした。



もっといっぱい、新しい傷が欲しい。
そしてもっと強い、新しい身体が欲しい。



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