吉屋信子は10歳ぐらいの時から大好きです。




特に「花物語」。これは私のバイブルであり、世の乙女達のバイブルだと思います。




時代は違えど、美しく儚く且つ強靭な乙女の心は変わらぬものなのよなぁ…と
流麗な言葉で飾られる物語の結末に、私はそっと涙さしぐむのです。




しかし、花物語の少女達と同い年ぐらいの年代の子に接することは多けれど、
なかなか吉屋信子の描くような乙女には出逢えません…
それも、まぁ納得は何となく出来るのですけれどね。




黒髪のおかっぱやお下げが疎んじられるのは普通のこと…(あぁ、私は好きなのに!)




けれども、或る友達に花物語上巻を貸したら気に入ってくれたのです。
わりと付き合い長い子だからでしょうか、私とお洋服の趣味が合うからでしょうか。
とにかく、嬉しかったな。




あわれ、かくも美しい花物語よ。
ありし日の物語は、現代の少女の心の中にも…