●「ヘルマフロディテの体温」 小島てるみ
ゴスっぽい装丁と解説文とは真逆の、心温まる感動の名作!
ナポリを舞台に“生命” “生きる”とは何かを芸術的に哲学的に美しく語り掛けてくる、
うっとりするような物語です。
●「アラジンと魔法のお買物」 嶽本野ばら
物欲が溢れて来る物語です。
私だって、私だってお部屋の照明をシャンデリアにしたいのです。
天蓋付きのベッドで眠りたいのです。
でもシャンデリアにするためには壁をブチ抜いて配線工事をやらねばならぬし、
天蓋付きベットはスペースを取り過ぎる…
●「鱗姫」 嶽本野ばら
インセストものは本能的にうぇぇぇーとなることが多いのですが、この本だけは別です。
残虐で、残酷で、グロテスクで、それ故に美しい。
強靭なる美意識を持つ人の前では、悲劇や絶望すらも装飾品と化すのですね。
●「少女ロマンス―高橋真琴の世界」 高橋真琴
もう、真琴先生が大好きで仕方が無いのです。
フリルやレースで過剰に装飾されたドレス、きらきらと輝く大きな瞳、可憐な微笑み…
何時の時代も、女の子が夢見る世界がそのまま、在るのですから。