風待ちのひと
伊吹有喜 ポプラ社 2009年6月
心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。
最近、気になる作家さんのデビュー作を読んでいて、 今回は、伊吹有喜さんの「風待ちのひと」
亡くなった母の家を片付けに美鷲に来た哲司。
偶然知り合った喜美子に音楽を教えるかわりに遺品整理を手伝ってもらうことに~
会社や家庭に疲れていた哲司は、美鷲での生活で次第に心が和らいでいく。
喜美子は、おせっかいなおばちゃんって感じだったけど、印象が変わっていった。
オペラを着物姿で行った時の彼女は、凛々しい感じがした。
美鷲の風景と土地の人たちと音楽とオペラが心をほぐしていくようだ。
哲司の妻は、相手の気持ちを考えないいやな印象だったけど、彼女は、彼女なりに必至だったのだと思う。
彼女にも心のやすらぎが訪れますように。
心が折れて頑張れない。
そんな時は心の休暇が必要で、まわりに
それをわかってくれる人がいることが重要だと思った。
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