なれのはて

加藤シゲアキ 講談社 2023年10月




 

 

ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。


 1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。 芸術が招いた、意図しない悲劇。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。 長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。


イベント事業部の守谷京斗と吾妻李久美は、

一枚の絵の展覧会を企画。

その絵の著作権をめぐり、作者を調べるが、そこには、深く重い家族の歴史があった。


過酷な環境にあって、それぞれが生ききった人生は、壮絶なものだつた。


戦争が、一日早く終わっていたらと思わずにはいられない。


報道局から異動になった守谷京斗の事情やイベント部の吾妻李久美と彼女の母との確執も描かれ、深い内容になっている。


そして、展覧会は、行うことができたのか?


あの時のあの人は、あの人だったんだ。


ラストは、 よかったなあと暖かい気持ちになった。


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