夜空に泳ぐチョコレートグラミー

町田そのこ  新潮社 文庫2021年3月






 思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋。
そしてともには生きられなかったあの人のこと――。 大胆な仕掛けを選考委員の三浦しをん氏辻村深月氏両名に絶賛されたR-18文学賞大賞受 賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。
すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作。その他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。



 短編作品「カメルーンの青い魚」は、最初に書かれた作品とは思えないほど、読み応えのある作品だった。


そして、その登場人物が、次の物語へとつながっていく。


一生の恋と決め、待ち続ける話や


今まで祖母に守られていた少女が、守られる存在がいなくなったことで、自立しようとする姿など、


何か問題を抱えている人たちが、人とつながり、助けあい、成長していく。


 えっと驚く仕掛けもあり、じんわり温かい作品。


お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐