リラの花咲くけものみち

藤岡陽子 光文社 2023年7月







動物たちが、「生きること」を教えてくれた。 家庭環境に悩み心に傷を負った聡里は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学し、自らの「居場所」を見つけていくことに――北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作。



聡里の成長を描く。

少女期は、つらい思いをしていたけど、祖母チドリに助けられて、本当によかった 。


動物が好きな聡里は、獣医師を目指し、チドリと暮らしていた家を離れて北海道の大学へ進学する。

寮の同じ部屋の人とも、親しくすることができず……


動物たちの命を助けるだけでなく、時には、死と向き合わなくてはならないこともあり、聡里は悩む。


牛や馬の獣医としての役目が、詳しく描写されていて、たいへんな職業だと思う。

また、ペットに対して、飼い主によって、手術を受けられたり、そうでなかったりと、命についても考えることとなる。



動物が好きというだけでは、やっていけない厳しい職業だと思う。


聡里は、多くの人と出会い、多くの経験を積み、成長していく姿がよかった。


 


 〈耐えられないなら、やらなくていい。

やりたくないことは、できないって言えばいい。他の人に頼んでくれって、頭を下げればいいだけだ。〉

〈自分にできないことがあったら、できる人に代わってもらったらいいんだ。そのかわり、自分が

できることは 他の人の分まで頑張る。〉


こういう言葉は、気持ちが楽になる。


どんな時も前向きなチドリって、ステキ!


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