メロスの翼
横関大 講談社 2023年5月
世界中の強豪選手が集結した「第1回東京レガシー卓球」。
会場では、急遽出場となった毛利翼(マオリーイー)という中国の補欠選手が注目を集めていた。
初戦でいきなり世界ランク3位の選手を一蹴した男のユニフォームには、中国選手のはずなのになぜか日の丸が縫い付けられていたのだ。
不思議な選手の登場に動揺するテレビ局の中継スタッフが調べると、6年前、毛利翼(もうりつばさ)という大学生が、殺人の罪で逮捕されていたことが明らかになる。カメラに映る男とその大学生は同一人物なのだろうか?
過去と現在をつなぐ、絆のラリーが始まった。
現代の卓球の試合と、21年前から現代に至る過程が交互に描かれる。
毛利翼は、
隣に住んでいたイケメンの羽根、児童養護施設(にじいろ)の施設長、小学校の青木先生。花岡法律事務所の花岡弁護士、そんな大人達と 関わることで、助けられ、成長していく。
多くの人から助けられて育った翼は、人に親切な青年に育っていた。
小学生の時に出会った翼と啓介。
啓介の転校により離れ離れになるが、卓球を通じて、その交流は続いていた。
中学生にの時、
ケガをして俳優をあきらめた美玲と出会い、ふたりに加わる。
彼らの様子は、青春って感じで、微笑ましく感じた。
しかし、ある事件が起きる……
この展開は、心苦しい。
羽根のその後に、びっくり。
上からの圧力に弱い警察体制にがっかりだったが、
翼と啓介の友情に涙が止まらなかった。
表紙の次のページがが黄色なのは、黄色いバトンをイメージしてなのかな。
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