光のとこにいてね
一穂ミチ 文藝春秋 2022年
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――
小学2年生の時、偶然出会った結珠と果遠。
性格も育った環境も違う二人だが、一緒にすごす時間が大切だった。
しかし、突然会えなくなり……
時間が経って、また会えても、突然の別れが……
友情、愛情、それ以上の深い結びつき。
なんでも話せて、わかりあえる。
お互いを思う気持ちが強く、純粋で、いい関係だと思った。
ふたりが会えた時は、ああよかったと思えた。
ふたりには、それぞれの生活があって、その上で、 ふたりの交流がある。
そんな関係は無理なのかな。
ラスト、果遠のこと、なんで?という気持ちになった。
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