街に躍ねる

川上佐都 ポプラ社 2023年2月




 

 

内容紹介> 小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。同級生や大家さんとの会話を通じて、初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。



学校に行かなくなった高校生の達。

達は、コミュニケーション能力がないことで人付き合いがうまくできない。


達の弟-晶の視点と母親-朝子の視点で描いた作品。


小学5年生の晶の何気ない毎日。

学校でのこと、友達のこと、 家族のこと…

その日々がキラキラしてる。

その日常の中にいる兄の存在。


いろんなことを教えてくれて、絵が上手で…

そんな兄の部屋で過ごす時間が好きだった。

晶は、兄が大好きなのだ。


でも、兄が、学校に行ってないことを友達に隠したい気持ちがある。

その気持ちに戸惑う。

それから大家さんの言葉を聞いて、兄が普通でないことを知る。


そんな晶の戸惑いなど、気持ちが素直に表現されている。晶の葛藤の中に微笑ましさがあった。


すてきな兄弟だと思う。


 親として、達のような子どもを育てていくのは苦労が多いことだろう。

けど、こどもの味方で居続けようとする親を応援したいと思った。



達の家族、美術館の加賀美さんとまわりの大人や晶の友達もいい人だった。


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