水底のスピカ
乾ルカ 中央公論新社 2022年10月







その転校生は、クラス全員を圧倒し、敗北させた―― 夏休み明け、北海道立白麗高校2年8組に、東京からひとりの転校生がやって来た。汐谷美令――容姿端麗にして頭脳明晰。完璧な彼女は学校中から注目を集めるが、些細な事からクラスで浮いた存在になってしまう……。 学校祭準備で美令と友人となった、クラスで孤高を演じる松島和奈。そして美令が孤立する原因を作ってしまった、クラスのカースト上位である城之内更紗もまた、美令、和奈と深く関わってゆく。 それぞれ秘密を抱える三人が向かう先に待つものは、そして美令の「私、神様の見張り番をしているの」という言葉の意味とは……。 今、彼女たちの人生で、もっとも濃密な一年が始まった――。誰もがあの時を思い出す、青春群像劇の傑作! 最高に美しいラストシーンを、ぜひご堪能ください!! 「 今、私がひとりではないことが、奇跡なのだ――」



転校生の汐谷美令。
孤高を演じる松島和奈。
美令に「東京の人」というあだ名をつけた城之内更紗。
美令に頼まれ自転車を貸す青木萠芽。
萠芽の友達で明るく脳天気な赤羽清太。


特別にあこがれている和奈は、容姿端麗な上に成績優秀な転校生美令と仲良くすることで、自分も特別な存在と思われたいと、美令と行動を共にするようになる。
そして、あることをきっかけに、更紗とも仲良くなる。

美令の言う神様の見張り番とは?
美令が、毎木曜日、自転車を借りて海へ行くわけは?

和奈、美令、更紗。
この三人がこんなに親密な関係になるとは思わなかった。
そこに、男性ふたり、萠芽、清太が加わり、いい関係になっていく。


人は、他の人とどうして比べてしまうのだろう。
どうして、特別を求めるのだろう。




<農業は過去の通信簿を受け取り続ける仕事>
大学生の夏月の言葉で、新しい発見があったり・・・・
能天気なようで、みんなのことを心配する清太だったり・・・・


細かい所まで、彼らの心の揺れや葛藤が描かれていた。


悩みをさらけだすことができる、そんな友だちがいるってすばらしいことだ。
こういう関係、うらやましい。


お気に入り度★★★★★