ぼくらは、まだ少し期待している
    
木地雅映子 中央公論新社







            札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。 親に期待できなくても、人生を諦めなくていい――名作『氷の海のガレオン』『悦楽の園』の著者、10年ぶりの新作長篇。



に対してトラウマを持つ子どもたちの物語。
婚姻届を出すところから始まっているので、安心して読める。

株の運用でお金には困らない高校生の輝明。
母親は、震災で身寄りを亡くした吉川航を連れてきて、いっしょに暮らしている。

あさひは、弟と思われる動画を見つける。
弟は、母親と共に家を出ていたのだ。
あさひは、輝明に相談。
その後、あさひが、失踪。
輝明は、あさひの消息を探すため、航と共に、弟のことを調べる・・・・

輝明もあさひも親で苦労している。
彼らは、親の呪縛からのがれることができるのか?

虐待された子どもは、同じように虐待を繰り返すのか?
そんなことはない。
どんな親に育てられようと、子どもは違う人格。
自分の人生を歩んでほしい。


あさひは、どうしていたのだろう?


お気に入り度★★★