東野圭吾 光文社 2020年11月





 

 

謎を解くためなら、手段を選ばない。コロナの時代に、とんでもないヒーローがあらわれた! 

名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。「俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている」──。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む! 最新で普遍的。この男の小説は、ここまで凄くなる。東野圭吾、圧巻の離れ業。




東野圭吾さんの作品は、安定の面白さだ。


真世の父が亡くなり、叔父の武史が犯人を探しだすという話。

この叔父がマジシャンでくせ者。

盗聴器を仕掛けたり、当てずっぽうの会話の中から事実を導き出したり、

マジシャンであるからか、煙に巻くような感じ。

しかし、推理は、しっかりしている。




コロナ禍の今が描かれていて、観光業がうまくいかなかったり、葬式も今までとは違うものだった。



武史は、真世と桃子に、相手と話し合う場面を作っていたけど、彼女たちは、腹を割って自分の気持ちを伝えることができただろうか。その後が気になる。


お気に入り度★★★★