求めよ、さらば

奥田亜希子 KADOKAWA 2021年12月





 

 翻訳家として働く辻原志織は、三十四歳。五年の交際を経て、結婚をした夫の誠太は、友人から「理想の旦那」と言われ、 夫婦生活は安定した温かさに満ちていた。ただひとつ、二人の間に子どもがいないことをのぞいては。あるとき、志織は誠太のSNSに送られた衝撃的な投稿を見つける。 自分の人生に奥さんを利用しているんですね。こんなのは本当の愛じゃないです。 二週間後、夫は失踪した。残された手紙には「自分は志織にひどいことをした、裏切り者だ」と書かれていて――。



どもができなくて、妊活中の志織と誠太の30代夫婦。

志織は、妊活中だということを友だちにも言えず、毎月毎月、妊娠してないことに落胆の日々を送っていた。

夫の誠太は、病院に行くことも厭わず、協力的だった。

それなのに、突然、姿を消す。


残された志織の気持ちを考えるといたたまれない。


次の章では、夫・誠太の視点なので、どういう状況なのかはわかる。

ちょっと不思議ちゃんのような所もある。

しかし、志織の幸せを願う気持ちが強いことが感じられた。



今は、何でもネットに頼ってしまうところがある。

SNSで、相手を知るのではなく、直接に話して、

自分の気持ちを相手に伝えることは大切だと思う。


志織と誠太の心の葛藤、これが、ふたりの未来にいい結果をもたらしますように!


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