寺地はるな 詳伝社 2020年7月



 

 

ためらいなくつないだ手を離せるように、あなたを信じたい。
圧倒的共感度で大注目の著者が贈る“人生がいとおしくなる”恋愛小説。
砂丘の町で育った万智子は大阪の税理士事務所で働く24歳。
顧客のウェディングドレスサロンのオーナー了さんに頼まれ、
週末だけお手伝いのアルバイトをすることに。
了さんに連れていかれた「あつまり」で万智子は
美しくてかっこいい年上の女ともだちに出会う。
そんなある日、サロンに早田さんという男性が現れ、
人生はじめての「恋」のときめきを感じる万智子だったが……。
きれいになるのは誰のためかをぜったい間違えたらあかんで――
自分を好きになりたい万智子の、小さな勇気を抱きしめたくなる成長物語。



万智子は、
総菜を持って家に来る菊ちゃんとも、
付き合い始めた早田さんとも、距離をとって接している。

それは、万智子は相手のことを知ろうとせず、へんにまじめで、自分の気持ちをすぐ言葉にできない性格だから。

そんな万智子が、年上の女性、了、美幸、冬と出会い、
話を聞いてもらったり、意見を聞いたりして、
自分自身を見つめ直す。

万智子は、めんどくさい子だけど、
前向きになれたところがよかった。

本多先生やお父さんが、万智子の性格を知った上で、暖かく見守っているところがよい。

心に残った言葉があったので書き出す。
らないことがたくさんあるのは、これからいろんなことを知る機会があるということ>

<自分の好みに合わせてくれるあなたを気にいってくれる人じゃなくて、あなたが好きなあなたを好きになる人に、いつかきっと会える>

<「美しくなる」ということは、他の誰かのようになることを目指すのではなく、自分が自分のまま世界と向き合う力を得ること>

お気に入り度★★★★