森久美子 中央公論新社 2021年2月



 

 

仕事人として年月を重ねるほどに、日本独自の建築法へと回帰する――。
体にやさしい建材を使った環境に負荷の少ない住まい。
木材の地産地消と、木組みの技術の継承。
住み手が愛着の持てる家づくりを目指して、全国の大工、建築士ら八人が、日本独自の建築法を活用しようと各地で奮闘する。実話をもとに彼、彼女たちの来し方を精緻に綴った「古民家再生物語」第二弾。




第二弾ということだが、この作品を読むのが初めて。


青森市幸司、富山県小矢部市の明博、静岡県川根本町の道明、滋賀県長浜市の敏昭、長崎県佐世保市の敏幸、福岡県鞍手町の昇、茨城県下妻市の直美、奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺の直巳。
古民家鑑定士の資格を取り、古民家再生に携わる8人の物語。

父や祖父が大工あるいは製材所など、建築に関係した家庭で、大学を出て他で働いてから家を継いだ人。
大工にあこがれて、見習いから働いた人。
女性で工業高校へ行くのは、当時少なかったが、建築士という目標を持った女性。
造園(建物を含んだ景観のデザイン)から建築の仕事に入った人など、さまざま。

そんな人達が古民家鑑定士の資格を取り活躍している。

東日本大震災の時は、<民家、古民家の一定期間無料貸与>の取り組みも行われたようだ。

木材は時間とともにどんどん強度がましていく。
古民家には、最近の住宅とは比較にならないくらい良質な木が贅沢に使われている。
これを使わない手はない。

カフェや民宿などで古民家が利用されているのは目にするが、
個人の家でも、一部の古材を再利用して家を建てることもできるらしい。

日本のよき木材を大切にする取り組みが素晴らしいと思った。

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