五十嵐律人 講談社 2020年7月



 

 

法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?


大学で行っていた「無辜ゲーム」という模擬裁判が、
実際の事件に発展する。
弁護士となった久我清義が、弁護人となる。


この物語のなかで、
「無辜」なんて言葉、初めて知った。
「むこ」と読み、罪のないこと。また、その人。という意味らしい。
「無罪と冤罪の違い」なんてわからない。
「同害報復」とは、「目には目を」の意味?
復讐のことではなく、正当な対価で許すという寛容のことらしい。
いろいろ新しいことを知った。



物語は、裏の裏を読み解く心理戦で、先が読めない。
それも、自分自身のためではなく、誰かのために行っている行為なのた。

物語としてとても面白かった。
しかし、死人が出ていることに、
もっと他の方向はなかったのか、悔やまれる。




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