瀬尾まいこ 水鈴社 2020年10月




 

 

職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる―。生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。


パニック障害の山添。PMSの藤沢。
症状がでる時は、つらいのだろうなと思う。

そんなふたりが栗田金属という同じ職場で働くことになる。

藤沢のおせっかいから始まり、ふたりは関係を深めていく。

そして、
<自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできる。>
と思うようになる。
相手を思いやることができるとは、なんてすばらしいことだろう。

生きていくことがやっとだった山添が、好きだったことを思い出していくことができてよかったと思う。

また、栗田金属の会社の人たちは、社長をはじめ、理解ある人たちなのがうれしい。

優しさのあふれる物語だった。


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