砥上 裕將 講談社 2019年6月

 

 

水墨画という「線」の芸術が、深い悲しみの中に生きる「僕」を救う。




事故で両親を失い、喪失状態にあった青山。
なりゆきから、湖山の弟子になり、水墨画を始め、
次第に、心を開いていく。

これだけの話なのだが、
水墨画の世界に心が洗われる。
青山が、湖山の教えに従い、ただただ練習を重ねる。
その水墨画を青山がまじめに取り組む姿が好印象だ。

水墨画の世界に引き込まれる。
墨の香りを感じ、
青山が描いている線が、目に見えるよう。
線一つひとつが、生きているように感じた。

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