マジカルグランマ
柚木麻子 朝日新聞出版 2019年4月
マジカルグランマ
1,650円
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若い頃に女優になったが結婚してすぐに引退し、主婦となった正子。
映画監督である夫とは同じ敷地内の別々の場所で暮らし、もう五年ほど口を利いていない。
ところが、75歳を目前に先輩女優の勧めでシニア俳優として再デビューを果たすことに!
大手携帯電話会社のCM出演も決まり、「日本のおばあちゃんの顔」となるのだった。
しかし、夫の突然の死によって仮面夫婦であることが世間にバレ、一気に国民は正子に背を向ける。
さらに夫には二千万の借金があり、家を売ろうにも解体には一千万の費用がかかと判明する。
亡き夫に憧れ、家に転がり込んできた映画監督志望の杏奈、
パートをしながら二歳の真実ちゃんを育てる明美さん、
亡くなった妻を想いながらゴミ屋敷に暮らす近所の野口さん、
彼氏と住んでいることが分かった一人息子の孝宏。
様々な事情を抱えた仲間と共に、メルカリで家の不用品を売り、
自宅をお化け屋敷のテーマパークにすることを考えつくが――
正子は、75歳で女優をしている時点で、元気なおばあちゃんであると思う。
それが、夫が亡くなって、様子が変わってくる。
困難な事がおこってくるが、それにめげずに、
新しいことを始める。
メルカリで、お金を稼ごうとしたり、
自分の家をお化け屋敷にして、お化けの役を演じたり・・・・・・・・
75歳にして、そのパワーはすごいと思う。
まわりの人たちの助けも借りて前向きに進んでいく正子。
そして、最後に下した決断・・・・
今までのことを捨てて、新しい道を進もうとする潔さもいいと思った。
お気に入り度★★★★