新章 神様のカルテ

 

夏川草介 小学館 2019年1月

 

新章 神様のカルテ 新章 神様のカルテ
1,944円
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信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。

 

栗原先生、大学病院でも、奮闘しているようだ。

診療に加え、後輩の指導。大学院生であるので、学位を取得するために実験をして論文を書く。土日は、生活費を稼ぐため他の病院でアルバイト。

こんな多忙な毎日を過ごしていて、大丈夫なのかと心配してしまうほどだ。

 

父のリハビリを大学病院で引き続きしてほしいと断固として転院を拒否する娘に対して、転院にもっていく栗原先生のくだりは、見事なものだった。

すっきり!

でも、栗原先生は、嫌悪感を感じている。

患者を丸め込む仕事より、聴診器と内視鏡で患者を喜ばせる仕事をしたいと。

栗原先生らしいな。

 

また、ガン患者とどのように向き合うのか?

患者は、残された時間をどのように過ごすのか?

栗原先生の言葉に感動した。

栗原先生が、病院側と戦っている姿、患者や患者の家族に寄り添う真面目な姿がとてもよかった。

 

 

小春ちゃんかわいい!小春ちゃんにメロメロな栗原先生。そして家族がいっしょであればどこへでも行くというハル。

素敵な家族だな。

 

 

 

大学病院の多くの問題点を指摘しているが、大学病院のいいところの説明も忘れていない。

医療の現場のたいへんさを感じた。

 

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