護られなかった者たちへ

 

中山七里 NHK出版 2018年1月

 

 


 

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんわな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。

 

 

社会派ミステリー。世の不条理を描いている。

 

餓死状態で発見された三雲の捜査をする苫篠たち警察官と刑務所から出所した利根の行動が交互に語られる。スリリングな内容だ。

 

生活保護の実態。

弱者に対して、こんな仕打ちはひどすぎる。

社会保障についていろいろ考えさせられる。

 

どんでん返しには、驚かされたが、

読み終えて、切なくて切なくて、息の詰まる思いだ。

 

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