ままならないから私とあなた

 

朝井リョウ 文芸春秋2016年4月

 

友人の結婚式で出会った彼女は、他の場所では全く違うプロフィールを名乗っていた―「レンタル世界」。高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じる―「ままならないから私とあなた」

 

 

 

 

「レンタル世界」

結婚式の列席者をレンタル?

そんなことまでして、式を挙げなくてもいいのにと思うけど、体裁を気にしなければならない事情もある?

 

なにもかもわかっている学生時代からの友人。

それでも、言えないことはある。

いや、昔を知っているからこそ、見栄を張りたいことがあるのだろう?

 

レンタルも、ここまできたか!

思わぬ話の展開があった。

 

 

 

「ままならないから私とあなた」

成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。
無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。

 

効率よくすることが重要で、無駄なことは、重要ではないのか?

 

 

 

ある器具を使って、みんながみんな、同じように演奏できたとしたら・・・・・・

それは、素晴らしいことに違いないが、

個性がなくなってしまって、味気ない世界に感じる。

 

 

 

薫の考えは極端論で、私は雪子の考えに同調するけれど、

技術の進歩は必要なことであり、それをどのように活用するのかが問題なのでは?

どのように折り合いをつけていくのかが、課題なのだろう。

 

雪子は、薫に自分の気持ちをぶつけることができてよかったと思うが・・・・・・・

ここで終わり???

 

お気に入り度★★★★