三つの名を持つ犬

近藤史恵 徳間書店 2011年5月

三つの名を持つ犬/近藤史恵
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売れないモデルの草間都にとって、愛犬エルはかけがえのない存在だった。一人暮らしの孤独を癒してくれるだけでなく、エルとの生活を綴ったブログが人気を 集め、ようやく仕事が入り始めたのだ。だが、ある日エルは死んでしまう。エルの死によって仕事を失うことを恐れた都の前にエルそっくりな犬が現れたとき、 思わず都は…。人ゆえの脆さと犬への情愛ゆえに、大きな罪を背負った都を救うのは誰?大藪賞受賞作家が描く、切なくも美しいミステリー。



草間都
愛犬エルが好きで、書いていたブログが注目を得て、仕事が入り始めた都。不注意で、エルを死なせてしまった。仕事のためにエルそっくりの犬を誘拐するところから、悪い方向に進んでいく。今の人気を保つために必死だったのはわかるのだが・・・・・・

江口正道
就職に失敗、親の遺産で暮らすが、投資に手を出し借金を作ってしまう。その借金を返すために詐欺グループの手下として働く。一度借金を作ってしまうと、それを返すためにまた、借金…と負の連鎖が始まる。

 
この2人、都と江口が出会うわけだが、強請る方と強請られる方になるわけで、2人の関係はどうなっていくのか・・・・・
江口に、犬のことを聞かれた時、都がはっきりと肯定したのは、このままではいけないとその時に思っていたからかも知れない。

都にしても、江口にしても、どこまで落ちていくのか心配したが、あるところで思いとどまり、立ち直ることができたことよかったと思う。だいそれたことをしてしまった都だが、犬に対する愛情だけは変わらなかった。そこに救われる。

でも・・・・・・
この結果の方がよかったのだが、あまりにあっさり、解決しすぎた感じ。

それにしても千鶴が、都の部屋を訪問した時、あんなに冷静でいられるなんて、ある程度予想していたのかな?そしてそのあとも、自分の身を守るために・・・・・なんという人だろう。

お気に入り度★★★