間宮兄弟
江國香織 小学館 2004年 10月
映画を見たら、おもしろかったので、原作も読んでみた。映画の印象が残っていて、そのイメージで読んでしまったが・・・・・
この兄弟の独特の世界がいい。
容姿も性格も全然違う。好きな本も違う。同じ部屋に住んでいても、それぞれの部屋の様子も違う。しかし、二人とも女性にもてなくて、男でも危険を感じない、お友達というところはいっしょ。
「読書日」というのがあって、朝から晩まで持ち歩き、他のことは何もしないで本を読む。
この兄弟は、何かをすることに徹底している。生活にこだわりみたいなものがある。
オタクになるのかな。でも、本や映画や音楽や野球や多くのことに趣味を持っていて、こういう人と付き合ったら、話題も豊富で楽しそう。
間宮兄弟の部屋に来た女性たちは、たとえ恋人にならなくても、楽しそうだった。別の恋に生きようとも、間宮兄弟とすごした時間は、決して無駄な時間ではない。
離れて暮らしている母親は、毎年、誕生日を祝ってもらうことを楽しみにしていて、その日には、注文をしたものを兄弟に買ってもらって・・・・・・・・結婚しない兄弟に対してもあれこれ言うわけでもなく、息子たちを誇りに思っているといえるところがいいと思う。
「だって、間宮兄弟を見てごらんよ。いまだにいっしょに遊んでいるジャン。」
ずっと仲のいい兄弟、恋人ができてもできなくても、結婚してもしなくても、この兄弟の関係は変わらないでいてほしいな。
江國さん、独特の世界を書く作家だけれど、ここでもそれが生かされている。
お気に入り度★★★★