ほんの少し前の話です。




春。


桜が満開を迎えていた日。


最愛のお母さんと姉チワワと一緒に


桜との写真を撮った仔がいます。





その日の夜、その仔は、


そっと永遠の眠りにつきました。





すぐそばにいたお母さんが


気が付かないように。


大好きなお母さんが


激しく悲しまないように。


激しく取り乱さないように。


彼は苦しむ事なく、


そっとそっと静かに心臓を止めました。






本人さえ。


もしかしたら、自分が旅立つ事に


気が付いていないかもしれない。


そんな風に思えるほど


まるで、本当に眠るように。。。





愛桜ちゃんの甥っ子健太君が


(まおの兄チワワが健ちゃんのパパ)


3月29日の夜に天使組は入隊しました。




4/2に神楽へ一報が入ります。




3/30に撮影した愛桜の写真です。





珍しくお目目がパッチリの愛桜と桜と。。。


小さなまん丸のお月様。





なぜかすごく心惹かれる写真。


健太君の訃報を聞いた時に、


この写真がすぐに頭に浮かびます。


白くて小さなまん丸のお月様。


まるで健太君みたい。





ぼくお空に来たよー


通院仲間であり、血縁関係であり、


釜友である愛桜ちゃんに、


そう囁いていたのではないかと。


その小さな囁きを、一生懸命聞こうとして、


声のありかを確かめようとして。


目がパチクリしていたのかしら。。。と。



こじ付けなのでしょうが、


そんな気がしてならないのです。






「少しずつの目標をクリアして、


結果出来るだけ長く一緒にいたいね」


健太君のママと病院で会う度に、


ワガママで自己中なママ達でごめんね


って言いながらも、


健太君と愛桜ちゃんに頑張ってもらおうね。


いつもそんな話をしていました。





一緒にクリスマスを。


一緒に年末を。


一緒に2023年を。


一緒に春を。


一緒に満開の桜の花を。。。。






この後、一緒に16才に。。。までを


うっすら望んでいたのも本当です。





お母さん、桜のお花までだよ。


ぼく、約束果たしたよ。


頑張ったよ。もういいよね。





。。。。そうして。


頑張り屋の健ちゃんは眠りにつきました。



元気な時の半分以下の体重になり、


皮膚も薄くて点滴の針さえ


打てなくなっていたそうです。





でも、亡くなる数十分前には、


介助すれば自分でカリカリフードも食べて、


立派なうんちもして、


薬もしっかり飲んで、


体のお手入れもお母さんにしてもらって。。


全てがいつも通りで。







そして、歯ブラシや家事のために


ほんの少しお母さんがそばを離れた間に、


静かに逝ってしまったのです。




健ちゃんのママは、


自分がお花見の写真を撮りたくて、


わずかな時間と言え、


健ちゃんを連れ出したことが、


寿命を縮ませたのだろうかと泣きます。



息子さんが撮られたのかな?

健ちゃんを抱いて頬擦りして泣き崩れる、

健ちゃんママの姿は、

きっと遠くない未来の神楽の姿なのだと。







それはね。


違うよ。


偶然が重なって健ちゃんと最期の日に


桜の写真が撮れたことは、


健ちゃんからのプレゼント。




命の炎を燃やしてでも、


お母さんにあげたかった、


健ちゃんからの最後のプレゼント。


それをそんな風に後悔しちゃダメだよ。


健ちゃんが可哀想だよ。



そんな事を話します。


息子さんたちにも


同じような事を言われたんですって。



漢(おとこ)の中の漢として、


元気な時も。最期のときも。


できる限りママの心を守り、


守りたかった健太君だったね。




愛桜ちゃんと健太君とアンジーちゃん。


まだ小さすぎて、お里にいた頃です。


赤ちゃんで、元気よすぎて、


ブレブレの写真ですら愛しいです。



この頃に戻りたいね。


この頃に戻りたいです。




















悲しい事ってどうして続くのでしょう。


それでも、残されたものは


前を見て生きていくしかないのでしょう。





まだ20歳になる前の息子を残して


逝ってしまった従妹。




立て続けに大切な親族を亡くした友達。



愛犬を亡くした友達、弟夫婦。



もう、悲しみはたくさん。


いい事!笑える事!楽しい事!


しあわせな事!!!


彼らに。


いっぱい来ーーい!!


神様に聞こえるくらい、


大声で叫びたい気持ちです。