エストロゲンは男性ホルモンからできるって本当?
そうなのです。エストロゲンは男性ホルモンからできるのです。
では、男性ホルモンって男性からもらうの?そんなことはできませんよね。男性ホルモンも卵巣、その中の卵胞の周辺で作られます。
卵胞ってわかりますよね。そうです。卵子の入った袋です。
卵胞がある程度の大きさになると、周辺に莢膜(きょうまく)細胞という細胞層ができ、これが卵胞を囲みます。
この莢膜細胞が男性ホルモンを作るのです。この男性ホルモンが卵胞を包む膜(基底膜)を通過し、卵胞の中に入っていきます。
卵胞の中には卵子と卵子を囲む顆粒膜(かりゅうまく)細胞という細胞があります。
この顆粒膜細胞が男性ホルモンをエストロゲンへと変えるのです。
つまり、エストロゲンができるためには莢膜細胞と顆粒膜細胞のどちらともが必要なのです。
この男性ホルモンからエストロゲンへの変換のことを芳香化といいます。
顆粒膜細胞にはこの反応を司る酵素である芳香化酵素(アロマターゼ)がたくさんあるのです。
この時、卵巣を刺激してエストロゲンの産生を促すのが性腺(卵巣)刺激ホルモン(ゴナドトロピンともいいます)であるLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)です。
LHは主に莢膜細胞を刺激して男性ホルモンの産生を促し、FSHは主に顆粒膜細胞を刺激してエストロゲンの産生とともに卵胞の発育を促します。
月経直後の卵胞のサイズがまだ小さい時にはエストロゲンの分泌は少なく、血中の濃度も低いですが、排卵前になると卵胞の直径は約2cmに達し、大量のエストロゲンが産生され、血中濃度もピークを迎えます。
やがて排卵が起こりますとエストロゲンの産生量はやや下がりますが、卵胞が変化してできた黄体からも月経の直前まで産生されつづけます。
以前の記事もご参照ください。
知ってなるほどホルモンと月経のお話 その1 女性ホルモンとは
(文責:[医師部門] 片山 和明 [理事長] 塩谷 雅英)
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