Q

いつもお世話になっております。第1子を英ウィメンズクリニックの治療にて、無事に出産出来ました。本当にありがとうござます!
その中でふと疑問に思ったのですが、体外受精をするにあたり、採卵の影響で早期閉経する恐れはありますか?

 

 

A

ご出産おめでとうございます。

いつもハナブロお読みいただきありがとうございます。いただいたご質問にお答えさせていただきます。

 

排卵誘発剤(特に注射剤)を用いてたくさん卵を採取したからといって卵巣が早く老化し、閉経が早く来ることはありません

その理由をお話ししましょう。
 

普通ヒトでは、1月経周期に1個の卵胞だけが直径約2cmにまで育ち、この卵胞だけから排卵が起こります。

 

排卵は月経周期が28日の人であれば、周期の14日目頃に起こります。

しかし、月経開始時には卵胞は1個だけではなく複数(一般に若い人ほど多い)の卵胞が同時に発育を開始します。

そして、周期の7日目頃にその時点で一番大きく育った卵胞のみが生き残って発育をつづけて排卵に至り、他の卵胞はホルモンの関係ですべて死滅(閉鎖)してしまいます。


ところが、月経開始の初期から排卵誘発剤の投与を始めると、死滅するはずの卵胞の多くが生き残り、排卵へと向かうことになります。

つまり、排卵誘発剤の投与は、その周期発育する運命にある卵胞だけを刺激して発育させるのであって、将来のために残っている卵胞までを刺激しているわけではないのです。


ですから、排卵誘発剤を用いてたくさんの卵胞を育て、採卵したからといって卵巣の中の卵胞が余分に多く消費され、閉経が早く来るということはないのです。

 

過去の記事もご参照ください

卵子や精子の数について その1

 

(文責:[医師] 片山 和明)

 

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