この世界に慈悲はない | 2020年から未来へ

2020年から未来へ

離婚歴あり既婚。
子供4人孫2人。
悲しかったり嬉しかったりの日常を書いています。



伊岡瞬「白い闇の獣」



久しぶりに伊岡瞬さんの世界に浸りました。

まさに表紙帯に書かれている“伊岡ワールドの真髄”ですね。

おもしろかったです。

もちろん笑えるおもしろさではなく。



著者があとがきで


“少年法の不備”や“法改正の是非”を訴えることが主テーマではない。

とはいえ、太い柱の1本ではある。


と書かれている通り、「少年法」について考えさせられました。



2000年に改正少年法が成立し、翌2001年に施行されその後も何度か改正されましたが、それまではどんなに惨虐な加害者も年齢により護られたのです。

被害者ではなく加害者が。



今は法改正やネットの影響でそこまで護られないだろうけれど、逆に飲食店での迷惑行為などは徹底的に晒されていると思います。

凶悪犯罪者よりも。



例えば

回転寿司店で舐め舐めした男子高校生(現在は退学)はお店から損害賠償請求されますよね。


では、子供を無惨に男子高校生に殺された遺族は、損害賠償請求できるのでしょうか?


答えはできません。

なぜなら少年法により加害者が護られているから。


まず警察からは犯人の情報を一切知らされないのです。


※改正された今は、14才以上であれば刑事裁判にかけることができます(これを「逆送」という)が、凶悪事件でも、逆送される率は1割にも満たないそうです。



そのため民事裁判を起こさなければならない


民事裁判を起こすには時間とお金が必要です。


そして勝訴したとしても、命とは引き換えにならない額なのです。

まさに「死人に口なし」ですよね。

そしてもし訴えられた加害少年の保護者が自己破産したら。。



それだけではなく、子供の命を金で解決するのか!と、悪魔のようなことを言う人間も必ずいます。


公正世界仮説的な、被害者とその遺族を誹謗中傷する人間もいるのです。




「この世界に神の慈悲などない。ただ、真っ白な闇が広がっているばかりだ。」





この作品も忘れられないものになりました。


ただ悲しみだけではなく希望もあり、、


この世界に慈悲はないかもしれませんが、希望はあると、強く思いました。

















選挙応援飛び出すハート



ここでは隠しましたが現実では堂々と応援しています。









読んでくれてありがとうハート