$ひばなのシネマの天地

ジャンル : ドラマ
製作年 : 2007年
製作国 : イタリア=フランス=スペイン=ドイツ
配給 : 東京テアトル
監督 : アンジェロ・ロンゴーニ
出演 : アレッシオ・ボーニ 
クレール・ケーム 
ジョルディ・モリャ 
パオロ・ブリグリア 
ベンヤミン・サドラー


16世紀のイタリア。

ローマにやってきた画家のカラヴァッジョは、やがて絵の評判を聞きつけたデル・モンテ枢機卿の援助により、教会の絵に着手することになる。

完成した聖堂の絵は多くの人々の賞賛を浴び、彼の名声は高まる。

その一方、無名時代からの友人たちとの放蕩三昧、喧嘩、娼婦たちとの付き合いに眉をひそめる者たちもいた。

やがて権力者の庇護も失い、決闘で相手を殺してしまったカラヴァッジョは死刑の判決を受け…。

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好き嫌いは別にして、一度見たら忘れられない強烈な印象を残すのがカラヴァッジョの作品だ。

カラヴァッジョを描いた映画としては、同性愛者の部分にフォーカスしたデレク・ジャーマン作品が有名だが、本作は女性との恋愛も絡め、ほぼ順を追って年代記風に彼の生涯を追う。

光と影のコントラストが強い彼の絵を再現した映像は見ごたえ十分。

撮影監督はイタリアの巨匠ヴィットリオ・ストラーロで、ベルドルッチの『ラスト・エンペラー』をはじめ、コッポラの『地獄の黙示録』で名高い。

おかけで、創作の過程ももちろん、当時の人々の生活ぶりもカラヴァッジョの色彩で見せてくれる。

カラヴァッジョを知る、入門用としても最適な作品だ。

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絵を見ればきっとどこかで観た事がある!って思う画家カラヴァッジョ。 私も何故かこの人の絵には惹きつけられてしまうんです。

光と影の使い方とか。。。モデルを使い想像ではなくリアリティを追求した作風。 そして極めつけは 絵の中の人々の表情がどれも苦痛に満ちてる。。。。

この表情の所以が カラヴァッジョ自身の体験から来ているという生い立ちも描かれていて生と死を あからさまに描いた画家として私の記憶にずっとの残っています。

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この作品はもともと2007年にイタリアで放送された全2話のテレビ・ミニシリーズなんですが 1本の映画として日本では公開されました。

以前にもカラヴァッジョを描いた作品で『カラヴァッジョ』(1986年製作:ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞)もあるんですが こちらの作品より本作の方が 画家としての彼の苦悩とその放蕩ぶりが描かれていて見やすい印象があります。

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天才であるがゆえに おごりや甘えもあったけれど 彼のその行動の裏側には絶えず”愛”を求めている姿が見えてきます。

光に包まれる彼の絵を見た時 その心情が読み取れるような。。。映像と演出が芸術的ですべてのシーンが絵の様です。

絵画好きの方に是非お勧めしたい作品です。