帰る準備万端で家族まできてくれていたのに、まさかの寸止め帰れま10のハル…
病棟に戻ると看護師さんたちが続々と慰めてくださいました
一緒に笑い飛ばしてくださった看護師さん、気持ち大丈夫ですかと言ってくださった看護師さん。この時点では、まだ気持ちが動転していたのかさほど落ち込みもせず。
お昼ご飯食べて少し寝て。夕ご飯も食べて歯磨きに。そこで事件がおきました
隣で歯磨きしていたお姉さんに話しかけられます(このお姉さん、病室は違うんですがよく廊下で同じ手術をされた方同士で集まって井戸端会議をしておられる方でした、話したことはありませんでしたけど)
「ハルさん何科に入院ですか?」
「耳鼻科です。」
「えー、一緒ですね。主治医と担当医は?」
「ポジティブ先生とマスク先生です」
「えー、それも一緒!ねぇ、ハルさんってポジティブ先生って会いました?」
「?もともとポジティブ先生にかかってるので会ってますけど…」
「私今まで会ったことないんです。どんな先生?若い?」
「…普通のおじさん…」
「そうなんだー。ありえなくないですか?自分の患者に一回も会いに来てないんですよ。会いにくるつもりないなら主治医の名前出すなって思ってー。私扁桃腺取ったんです。術後の痛みがまじしんどくて、退屈だし入院1週間耐えらんないと思って。まぁ明日退院なんですけどね。」
「そうなんですね。おめでとうございます」
「まぁ帰っても、子供の世話がまた大変なんですけど。ハルさんは?どこ切ったんですか?」
「どこも切ってません、内科的な治療なんで」
「えー、じゃああの麻酔抜けた後のキツさとか体験してないんだ、うらやましすぎるーーー」
会話を終え部屋に戻り、ベッドに腰掛けるやいなや、今まで限界まではりつめていた水風船が、パチンと弾けたように涙が溢れてきました
帰れなかったショック、なかなか下がらない熱、完治はないという病気と向き合わなきゃいけない事実、そして「一緒に闘うから諦めんな」と言い続けてくださるポジティブ先生をバカにされた悔しさ…
3週間入院して、初めて泣きました。声が出ないようにタオルを口に押し当て、息ができなくなるほど泣きました。
その後様子を見に来られたマスク先生に「ごめんね…家に帰ってリフレッシュしたら病気と闘う元気も出ると思ったんだけど、逆にひどいことをしてしまったね…」と言っていただき、その一言にまた涙も止まらなくなり…
その日は散々泣き通して、泣き疲れて眠りに落ちたのでした