2017年8月ダブリン(8) ダブリン城とチェスター・ビーティー・ライブラリー | お家と旅の徒然日記

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小さい頃に両親が買った建売住宅を、2011年に建て替えました。独身で住宅ローン持ちとなりましたが、年に2・3回の旅行をしつつ、のんびり楽しく生活してます。数年後には黒柴ワンコを迎えたい・・・。

お腹が満たされた後は、ダブリン城に行ってみました。ここも初めてダブリンに来た時に行ったことはあるんだけど、当時はガイドツアーオンリーだったんですよね。今は、ガイドツアーのほかに、ガイドなしでも自由に回れるようになったみたい。

 

 

1204年、イングランドのジョン王がこの地に城を建設するよう命じたそう。その後約8世紀に渡り、英国植民地支配の本拠地の役目を果たし、軍事や政治の中心地であると同時にアイルランド支配階級の社交の場といったものだったようです。アイルランド独立戦争(1919-1921)が終わった1922年1月に、ダブリン城は独立したばかりのアイルランド自由国の最初の指導者となったマイケル・コリンズに譲渡され、それ以来、国威を象徴するものとして、7年ごとに行われるアイルランド大統領就任式等の国の重要な式典の際に使用されているそうです。

 

こちらのチャペル・ロイヤルは自由見学だと回れません。ガイドツアーだと見学できるみたい(以前のガイドツアーでは見られなかった)。

 

 

15時ちょっと前にチケット売り場に行ったらけっこう行列で、15時半のガイドツアーも売り切れていたので迷わず個人見学に(英語の説明聞いてもほとんどわからないしー)。個人見学、7.5ユーロだったんだけどなぜかディスカウントで5.5ユーロでした。ガイドツアーだともうちょっと高いです。

 

まず初めにこの階段で2階に上がります。19世紀に作られたそう。

 

 

この階段の上がバトルアックス・ランディング。1831年に解散した総督護衛隊にちなんで名付けられたそう。両開きのドアの上に、アイルランドの国章が飾られています。先ほどトリニティー・カレッジの図書館で見たハープをモチーフにした、例の国章です。

 

 

総督や訪問中の君主が使用していた寝室を抜けた後(今は展示室になってます)、公式回廊が。

 

 

こちらは応接間。1941年の火災で大部分が焼失してしまったそうで、この応接間は焼失を免れた部分と写真から忠実に再現されているそう。18~19世紀のダブリン社交界では、ザ・シーズンと呼ばれた6週間にたくさんの舞踏会や晩餐会が催され、この応接間はその社交の中心でした。ビクトリア女王やその夫君アルバート公爵の肖像画が飾られています。

 

 

 

晩餐室。アイルランド歴代総督の肖像画が飾られています。天井のグリーン、ウェッジウッドっぽいけど、この奥にはウェッジウッドの間という小さい楕円形の部屋があって、青と白のウェッジウッド様式の装飾でした。

 

 

こちらは王冠の間。謁見室ですね。アイルランドに訪問中の君主(まあイギリス国王ってことですね)は、ここで現地の臣民や廷臣の表敬訪問を受け、総督就任式が行われ、社交界デビューした令嬢のお披露目が行われたそうです。大王座は1821年にジョージ4世がアイルランドを公式訪問する前に作られたもの。天井にはアイルランドの象徴であるシャムロック、スコットランドの象徴であるアザミ、イングランドの象徴であるバラが絡み合った金箔をちりばめた真鍮製のシャンデリアが。

 

 

最後は聖パトリック・ホール。ここは公式諸間の中で最も豪華かつ最古の部屋だそう。元々は総督公邸の舞踏場で、過去250年に渡って様々な変更や改築が行われた結果、現在の姿に。ヴィンツェンツォ・ヴァルドレが1790年代に完成させた天井画が描かれていて、壁面は聖パトリック騎士団の軍旗が配されています。現在、この部屋はアイルランドで最も重要な式典場で、アイルランドを訪問中の各国政府要人との公式晩餐会や、アイルランド大統領就任式等に使用されています。

 

 

さて、ダブリン城を観光終えた後は、その裏に向かいます。これ、ダブリン城の裏側。なんでかカラフル。

 

 

左の壁の向こうが、ちょっとした公園になっています。ベンチもあるので、お天気の良いときとか、ここでランチをするのも気持ちよいかも。そして、奥に見える建物が、チェスター・ビーティー・ライブラリーです。

 

 

ライブラリー、っていう名前ではあるけれど、図書館ではありません。美術館です。アメリカ人のチェスター・ビーティーさんが集めたコレクションが、アイルランド政府に寄贈されて、2000年に開館した国立の美術館です。コレクションが、イスラム・インド・中国・日本の書物といったものが多いので、ライブラリーという名前なのかな。書物といっても、もうそれ自体が美術品です。

 

 

ちょうど今は、日本の摺物のコレクションが企画展示中でした。1階にカフェテリアやミュージアムショップがあって、2・3階の一部が展示室になってます。

 

 

ケルズの書は入場料が14ユーロもしたけど、ここはタダです(というか、寄付)。以前、レオナルド・ダ・ヴィンチの人体解剖図の企画展示をやっていた時も、タダでした(さすがに大混雑しちゃうのでネットで時間予約制とかだったけど)。

 

常設展示には、根付のコレクションとか、日本の絵巻物とか、ケルズの書に負けずとも劣らない豪華絢爛なコーランとかいろいろあります。日本の古典文学に至っては、竹取物語絵巻、宇治拾遺物語絵巻、大江山絵巻、長恨歌画巻といったものがたくさん。国文学の研究者がサバティカルで訪れることもけっこうあって、私の大学時代の卒論担当の教授もここにサバティカル研修に来たらしいです。

 

企画展示の摺物もここの所蔵物です。江戸時代の自費出版された浮世絵版画のことですね。葛飾北斎のものとかもあってけっこうな見ごたえ。面白かったです。日本の漫画文化って、こういう時代から続いてるだろうなあ。

 

何しろ今年は日本とアイルランド外交関係樹立60周年の記念すべき年なので、日本関係のイベントも多いらしいです。で、ミュージアムショップのコーナーでもこんな感じ。

 

 

欧米人、けっこう浮世絵とか好きな人多いですよね~。規模的には小さい美術館ですが、常設展示も見応えあるし、入場料は寄付制だし、ミュージアムショップも充実しているし、カフェテリアも人気あるみたいだし、ダブリンに行かれた際は是非訪れて欲しいと思います☆