神さまが一番美しい者を王にすると言いました。
ゼウスの神は、森に住む動物たちに、
《皆の中で、一番美しい者を王さまにする》
と、いうお触れを出しました。
するとそこへ、心は優しいが、鼻は低く、毛のはげた、醜い若ザルがやってきて、王さまに立候補すると言い出しました。
これを聞いて、他のみんなは彼を笑い者にしました。
しかし、そこへ醜い若ザルの母親が現れ、皆に向かって言いました。
「神さまが、息子を王になさるかどうかは分かりません。
しかし母親であるこの私には、息子が上品で気品があり、そして、ここにいる誰よりも美しいという事が分かるのです」
おしまい