4月1日 グリム童話・シラミちゃんとノミちゃん | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、シラミちゃんとノミちゃんが、いっしょにくらしていました。
 あるとき、二人はタマゴのからのなかにスープをつくりました。
 ところが、シラミちゃんがそのなかへおっこちて、やけどをしてしまったのです。
 それを見てノミちゃんはかなしくなり、ワーワーと泣きだしました。
 すると、部屋の小さな扉(とびら)がいいました。
「ノミちゃん、どうしてワーワー泣くの?」
「だって、シラミちゃんがやけどしたんですもの」
 すると扉(とびら)は、キイキイなりだしました。
 それをきいて、部屋のすみっこにいたホウキが、
「扉さん、どうしてキイキイなるの?」
と、いいました。
「キイキイならずにいられるもんですか。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣くの」
 するとホウキは、ものすごいいきおいで、そこらじゅうをはきはじめました。
 そこへ、小さな車がとおりかかって、
「ホウキさん、どうしてそんなにはくの?」
と、いいました。
「はかずにいられるものか。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣く、扉ちゃんがキイキイなるの」
 すると車は、
「それじゃ、わたしもかけだそう」
と、いって、すさまじいいきおいでかけだしました。
 車がこやしの山のそばを走りぬけますと、こやしが、
「車さん、どうしてそんなにかけるの?」
と、いいました。
「かけずにいられるものかね。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣く、扉ちゃんがキイキイなる、ホウキちゃんがはくの」
 するとこやしは、
「それじゃ、おれもドンドンもえてやろう」
と、いって、ほんとうに、明るいほのおをあげてもえはじめました。
 こやしのそばに、一本の小さな木がはえていましたが、その木が、
「こやしさん、どうしてそんなにもえるの?」
と、いいました。
「もえずにいられるもんか。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣く、扉ちゃんがキイキイなる、ホウキちゃんがはく、車ちゃんがかけるの」
 すると、小さな木は、
「それなら、わたしもブルブルゆれよう」
と、いいました。
 そして、ほんとうにブルブルゆれはじめましたので、葉という葉がのこらずおちてしまいました。
 ひとりの女の子が、小さな水がめをもってやってきましたが、それを見て、
「木さん、どうしてそんなにふるえるの?」
と、いいました。
「ふるえずにいられるものですか。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣く、扉ちゃんがキイキイなる、ホウキちゃんがはく、車ちゃんがかける、こやしちゃんがもえるの」
 すると女の子は、
「それなら、あたしも水がめをこわしてしまうわ」
と、いって、ほんとうに水がめをこわしてしまいました。
 それを見て、水のわきでている小さな泉(いずみ)が、
「娘さん、どうして水がめをこわしてしまうの?」
と、いいました。
「水がめをこわさずにいられるものですか。シラミちゃんがやけどして、ノミちゃんが泣く、扉ちゃんがキイキイなる、ホウキちゃんがはく、車ちゃんがかける、こやしちゃんがもえる、木ちゃんがふるえるの」
「ああ、そう」
と、泉がいいました。
「それなら、わたしもながれだそう」
 こういって、泉はおそろしいいきおいでながれだしました。
 それで、女の子も、木も、こやしも、車も、ホウキも、扉も、ノミも、シラミも、みんないっしょに水につかって、おぼれて死んでしまいました。

おしまい

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