6月18日 ミャンマーの昔話☆金のカラス☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、ある村に、夫に死なれた貧乏な女の人がいました。
 女の人には、きれいでやさしい一人娘がいます。

 ある日の事、女の人が娘に言いました。
「お米の入った箱を日なたに干しているから、取られないように見張り番をしていておくれ」
「はい。わかりました」
 娘が米の箱の側に座って番をしていると、どこからか金色のカラスが飛んできました。
「あっ、駄目よ。あっちに行って! しっ、しっ!」
 娘はカラスを追い払おうとしますが、カラスは平気で、箱に入った米を全部食べてしまったのです。
「ああ、家は貧乏なのよ。お米がなかったら、どうしたらいいの」
 娘が泣き出すと、金色のカラスは、
「娘さん、心配しないで。代わりの物をあげるから。夕方、村はずれの大きな木のところへおいで」
と、言うと、どこかへ飛んでいってしまいました。

 夕方、娘が大きな木の下へ行くと、木のてっぺんにある小さな金色の家から、金色のカラスが顔を出して言いました。
「いま、はしごを下ろしてあげるけど、金と銀とブリキのうち、どのはしごがいい?」
「わたしは、ブリキのはしごでいいわ」
 娘が答えると、カラスは金のはしごを下ろしてくれました。
 娘がはしごを登って小さな金色の家まで行ってみると、カラスは夕ごはんの支度をしながら、
「お皿は、金のお皿か、銀のお皿か、ブリキのお皿か、どれがいい?」
と、尋ねました。
 娘が、
「ブリキのお皿でいいわ」
と、答えると、カラスは金のお皿に、おいしいごちそうを山の様に出してくれました。
 娘が食べ終わると、カラスは三つの箱を持って来て言いました。
「きみに、お土産をあげよう。大きい箱と、中くらいの箱と、小さい箱、どの箱がいい?」
「小さい箱でいいわ」
 娘は小さな箱をもらうと、カラスにお礼を言って家に帰りました。

 さて、娘がお母さんの前で小さな箱を開けてみると、中には光り輝くルビーがたくさん入っていました。
 おかげでお母さんと娘は、お金持ちになって幸せになりました。

 さて、この二人の近所に、とても欲張りな母親と娘が住んでいました。
 欲張りな二人は金色のカラスの話を聞くと、自分たちも同じようにルビーがもらいたくてたまりません。
 そこで欲張りな二人は、さっそく日なたに米の箱を出しました。
 すると金色のカラスがやって来て、箱の米を食べ始めました。
 それを見つけた欲張り娘が、大声で叫びました。
「こら! よくもお米を食べたね。代わりに宝物を寄こさないと、ひどい目に会わせるよ!」
 こうして金色のカラスに無理矢理約束させた娘が、夕方に木の下に行ってみると、
「はしごを下ろすけれど、金と銀とブリキのうち、どのはしごがいい?」
と、金色のカラスが聞きました。
 すると欲張りな娘は、
「もちろん、金のはしごだよ」
と、答えると、カラスはわざとブリキのはしごを下ろしました。
 次にカラスは、娘に金と銀とブリキのうち、どのお皿がいいかと尋ねました。
 娘が、
「もちろん、金の皿だよ」
と、 言うと、カラスはわざと、ブリキのお皿で少しのごちそうを食べさせました。
 娘が怒って、
「なんてけちなカラスだろう。もういいわ。早くお土産を持ってきておくれ!」
と、怒鳴ると、カラスは大きい箱と、中くらいの箱と、小さな箱を持ってきました。
「大きい箱と、・・・」
 カラスが説明しようとすると、娘は大きい箱をつかんで、
「大きい箱に、決まっているでしょう!」
と、カラスに礼も言わずに、大きい箱を持って家に帰りました。
 欲張りな娘が家に帰ると、すぐに欲張りな母親が飛んできて娘に言いました。
「よくやったね。隣の家よりも、大きい箱じゃないの」
「当然でしょう。さあ、二人で箱を開けましょう」
  欲張りな娘と母親が、わくわくしながら大きな箱のふたを開けてみると。
「ぎゃあーーーー!」
 二人は叫んで、ブルブルと震え上がりました。
 何と大きな箱の中からは、毒ヘビや毒クモや毒トカゲなどが、次から次へとはい出てきたのでした。

おしまい


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