4月25日 福井県の民話☆蓮如上人(れんにょしょうにん)の御影(おみえ)☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、東尋坊(とうじんぼう)の近くに浮かぶ雄島(おじま)という小さな島のそばに、若い漁師が母親と二人で暮らしていました。
 その漁師は名を甚兵衛(じんべえ)といい、とても気の荒い男で、神など一度も信じた事がないのが自慢です。
「はん。神や仏なんてものがいるものか!」
 ところが甚兵衛がいつものように三国(みくに)の浜で漁をしていると、突然にまぶしい光が両目に差し込んだのです。
 その不思議な光は翌日になっても消えようとはせず、むしろ前よりも一段とまぶしさを増してきたようです。
 その光のために、もう何日も漁が出来ないでいた甚兵衛は、思い切って光のさす方角に歩いて行きました。
 すると興行寺(こうぎょうじ)の中の蓮如上人(れんにょしょうにん)の御姿絵(おすがたえ)の前に出たのです。
 この絵は蓮如上人の魂が宿っているといって、門徒(もんと)たちが大事にしている物でした。

 そのむかし、布教を終えて京の本願寺に帰られた蓮如上人が病気になり、興行寺に嫁(か)した如空姫(にょくうひめ)を呼び戻すと、
「なつかしい越前の門徒たちに、わたしの形見として絵姿を持って帰ってほしい」
と、頼み、その場で自らふるえる手に筆を持って、己を書き写した物なのです。

 そしてこの光は、 甚兵衛の不信心(ふしんじん)に心を痛めた母の願いが天に通じ、御姿絵の光となって甚兵衛をいさめたものでした。
 でも、そうとは知らず甚兵衛は住職に、
「こう光がまぶしくては仕事が出来ません。どうか、絵姿をうす絹(きぬ)でおおってもらいたいのです」
と、願い出ました。
 そこで絵姿にうす絹がはられたのですが、今度は絹の上に絵がくっきりと現れ、不信心だった甚兵衛をいさめたのでした。

おしまい

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