3月25日 長野県の民話☆十三塚(じゅうさんづか)☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、須坂(すさか)に、一人の若者がいました。
 毎日朝早くから田畑に出ては、こつこつ働いていたものの、暮らしはいっこうに楽にはなりません。
 あるとき、若者は知り合いのつてで都にのぼりました。
 そして、公家(くげ)のお屋敷で働くことになったのです。
 若者は相変わらずまじめに働くので仲間からも好かれて、半年もたつ頃には、主人からも一目置かれるようになりました。
 ところでこの屋敷には、小夜姫(さよひめ)という主人の娘がいました。
 若者はひと目でこの姫を好きになり、姫の方もまじめで正直な若者に、次第に心をひかれるようになりました。
 そのうちにとうとう、二人は固く将来を誓い合う仲になったのです。
 ところがこのことを知った主人は、かんかんに怒りました。
「大事な一人娘を、使用人ごときにやるわけにはいかん!」
 そしてとうとう若者は、ひまを出されてしまったのです。
 一方、姫はそれ以来、毎日泣いて暮らすようになりました。
 一人で部屋に閉じこもって、ご飯も食べません。
 ただ若者を思って、泣いてばかりでした。
 そんなある日のこと、姫はとうとう家を出て行きました。
 そして若者のいる、須坂へと向かいました。
 そのとき、十三人のお供が姫に従いました。
 それから何日も何日も歩きつづけた末、やっとのことで姫は須坂にたどり着き若者と再会したのです。
 二人の気持ちを知った若者の母は、どうにかして二人を一緒にさせてやりたいと思いながらも、しょせん身分の違う者同士と、一緒になるのを許してやらなかったのです。
 姫は今さら家にも戻れず、この里のはずれでひっそりと暮らすようになりました。
 そして毎日つらい思いで日を過ごすうち、やがて姫は病気になり、お供の者たちの看病もむなしく、とうとう死んでしまったのです。
 姫が死んだとなると、従ってきた供の者たちも互いにのどを突き合って、果ててしまいました。
 姫の霊は、相森神社(あいのもりじんじゃ)にまつられました。
 また、十三人のお供が葬られた墓は、『十三塚』と呼ばれて、今でも浄念寺の境内にひっそりと残されているそうです。

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